是枝監督の「海よりも まだ深く」観てきました

昨日、是枝監督の「海よりも まだ深く」を観てきました。

これは、小説家としてデビューをしたものの、

その後、小説が書けずに、興信所で働きながら生活している中年男性のしがない生き様を描いているものです。

その主人公を、阿部寛が演じているんですが、この中年男に全く共感を覚えませんでした。

興信所で探偵まがいの仕事をしてるんですが、浮気の現場写真を使って、強請のような裏仕事で小遣いを稼ぎ、それを競輪などのギャンブルにつぎ込んでしまって、生活が成り立ちません。

母親の部屋に行っては、なき父親の遺品を質草にしてお金を借り出したり、

母親の貯金通帳を探し回ったりするわけです。

要するに、決定的な生活破綻者なんです。

これは、小説家のなれの果てというよりも、

サラリーマンだって、続けていけないような男なんです。

さらには、離婚した妻(真木よう子)を、まるでストーカーのように追い回して、

新しい男とつきあってる様子を伺って、未練たらたらに苦しんでいます。 

テーマとして、若いときに描いた夢の通りに、人は生きることが出来ないという現実を、監督は描きたかったんだろうと思いますが、なんでこんな男が小説家なんだろうと、僕は違和感しか抱きませんでした。

この主人公は、小説を書く理由がないんです。はっきり言えば、最も小説から遠く離れた世界に生きているタイプの男なんです。

つまり、テーマと、人物造形がミスマッチなんですね。

ということで、阿部寛演じる売れない(書けない)小説家に、何の共感も抱けないまま映画は終わり、

ぐったりと疲れて、家に帰ってきたというわけです。

 

是枝監督の「そして父になる」は、すごい傑作だったんですけどね・・・・・・

ちょっと残念でした。